植物を育てるためのヒントや方法の備忘録。

コンテナ栽培するための基本用土と改良用土の種類。

 

土は植物が育つための最も基本的な部分。最近はそれぞれの植物に最適化された培養土が流通するようになっています。

それでも、知識として知っていれば応用もきき、なおかつ効率よく土を用意することもできます。

特に、大きな庭を相手にガーデニングをするのならば培養土を使うよりも自ら配合して作ったり、土壌改良をしたほうが効率が良い場合がほとんどです。ちょっとした応用で地植えの際の土づくりにも役立ちます。

 

プランター栽培をする場合でも、それぞれの基本用土の特徴を知っておくことで、何かと対応しやすくなります。培養土に頼りっぱなしというのは少々不安でもありますし、植物が問題を抱えた際の原因の区別もしやすくなります。地に足のついた植物の栽培を楽しみたいものです。

それぞれの基本用土を準備しておいて自ら配合をすれば、小回りの利く培養土を好きな量、作り出すことができるのも便利ですし、それぞれの特徴を知っておけば、改良用土の代用として用いたり転用もしやすくなります。

結果的にコストパフォーマンスも最適化することにつながります。

 

基本的にはコンテナ栽培を快適に行うための基礎知識としての位置づけです。

 

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INDEX

基本用土の種類

植物の栽培におけるベースとなる用土です。単一で使えるものもあります。ひとことで基本用土と言っても、例えば保水性が最も高いものと、最も低いものがあったり、軽いものと重いものがあるように性質や特徴が違うのである程度の特質を把握して使い分けをします。

 

赤玉土(あかだまつち)

赤玉土

関東ローム層の中間層から出土する、赤土色の粒状土。大粒、中粒、小粒の3種類が展開されています。排水性、保水性、通気性をバランスよく持つ性質があります。

 

菌類をほとんど含まず弱酸性の性質を持つので幅広い植物に対応でき、コンテナ栽培においての、排水性を高めるための最も基本的なベース用土と言えるものです。硬質のものが品質が良いと言えます。

 

大粒のものは鉢底石のように、鉢底に入れてゴロ土として使われることが多く、基本的に鉢が小さいものほど、小粒を使うのが適当です。参考として、5号鉢以下なら小粒、6号以上ならば中粒と使い分けます。

 

※入手する際は中身が見える場合、袋の中で粉末状のものがあまりない方が硬いと言える。柔らかいものは砕けやすく、粉末状になりやすい。

 

鹿沼土(かぬまつち)

鹿沼土

火山砂礫が風化したもので、強酸性の性質を持つのが特徴的。粒の大きさは不揃いで砕けやすく、通気性と保水性も高いと言えます。肥料分は含みません。

 

強酸性土壌を好む草花は少数なので一般的に多用することは少ないですが、サツキやアセビ、アザレアなどのツツジ科の植物に用います。

 

日本の土壌は酸性土が多いので、日本由来の植物と相性が良いです。

栃木県鹿沼地方で主に産出されたため、この名称がつきました。関東ローム層のさらに深いところから出土します。

※ポイントとしては、ふるいにかけてから使うのが定例。砕けやすく粉上になりやすいため。

 

黒土(くろつち)

黒土

関東ローム層の表層土で黒々としていて、いかにも土らしい土です。保肥性があり、軽くて有機物を含んでいるのが特徴です。通気性と排水性は少々劣りますが、保水性がとくに高く、弱酸性の性質を持ちます。

 

利用する場合は保水性を期待して、乾燥に弱い草花などの土調整に用います。特に野菜づくりの土は黒土をベースとすることで、理想的な土壌環境に早期に近づけることができるでしょう。

 

肥料や有用微生物も含まれているため痩せた土壌の改良にも用いることができます。

 

堆肥作りの基材としても多用され、「黒ボク」とも呼ばれます。

 

※排水性がないので単体で使うことはありません。土壌改良としてや、多孔質の用土(赤玉土や桐生砂)に混ぜて使うことが基本です。

 

荒木田土(あらきだつち)

排水性と通気性は悪く、握ると固まる粘土質で、最も保水性の高い基本用土と言えます。黒土よりも保水性はさらに高いです。乾燥に弱く、多湿を好む性質をもつ植物の基本用土に位置づけられます。保肥性も高い土です。弱酸性の性質を持ちます。

 

※同じく単体で使うことは稀です。腐葉土などを加えて、通気性を持たせます。

 

桐生砂(きりゅうずな)

桐生砂

風化した砂礫で、通気性と保水性が高い性質を持っています。基本用土としてよく使われるのは、山野草や東洋ランなどの多湿に弱い植物です。鉄分を豊富に含んでいることから赤褐色である点も特徴的です。

 

中性の性質を持つので、赤玉土と同じように排水性を高める目的で幅広い植物の培養土づくりに使うことができます。硬くて砕けにくいので、大粒のものは鉢底に敷くゴロ土としても最適です。

 

ふるいなどを用いて、粒の大きさを揃えて使います。小粒~中粒なら培養土づくりに、大粒ならゴロ石としてなど。

 

富士砂(ふじずな)も一般的に流通しています。こちらも用途は同じです。火山砂礫なので、無数の孔があいている多孔質であることが特徴で、保水性と同時に排水性も同時に高めることができます。

 

軽石(かるいし)

火山帯から出土する中性の性質を持つ砂礫です。多孔質であることから、通気性においては基本用土の中で特に高いと言えます。

 

排水性も高い性質を持ちます。肥料成分の吸着性も期待できるので、桐生砂と同じように山野草や洋ランなどの基本用土として単品で使うことができます。また、粒の大きなものはプランターの底に敷くゴロ石として多用されます。

 

保温性に優れている点も特徴の一つです。

 

※人工的に焼成されたものも多く流通していますが性質は変わらないので同じように手軽に利用できます

 

改良用土の種類

基本用土を補う用土です。特に腐葉土やピートモスなどの植物質の改良用土は基本用土に対して4割ほどの配合率にするのが基本と言われています。その他の調整用土は期待した性質を高めたり、補ったりする目的があります。

 

腐葉土(ふようど)

腐葉土

落葉、広葉樹の落ち葉を腐熟させて作られる最も代表的な改良用土。保肥性が最大の特徴で、微量のミネラル類も含まれることも特徴の一つ。通気性と保水性を高める目的で広く使えます。中性の性質を持ちます。

 

土の有用微生物の活性化にも貢献し、団粒構造などの理想的な状態に導く手助けをしてくれます。

基本用土(赤玉土や黒つちなど)に腐葉土を混ぜれば取り合えずの培養土になります(ずぼら万歳主義)。

 

※完全に腐熟が進んだタイプと黒い葉が少々残るタイプなどが流通しています。小さなプランター栽培においては腐熟が進んでいるものの方が根を痛めにくいと言えます。

 

川砂(かわずな)

河川の上流域から産出される中性質の砂礫です。通気性が最大の特徴です。保水性と保肥性は期待できません。

 

通気性を高めたい場合に改良用土として使います。各地の河川から様々な川砂が流通しているので、入手しやすい改良用土の一つです。(富士川砂、矢作川砂、天神川砂、・・・など)桐生砂のことを川砂とするのも一般的で、多様な植物に使うことができ、赤玉土などの基本用土の代わりとして転用しやすい改良用土です。

 

※保水性と保肥性がないので、基本用土に2割ほど加えて使うのが定番です。単品で用いることはほとんどありませんが、サボテンや多肉植物などの基本用土として使われることもあります。

 

ピートモス

ピートモス

保水性と保肥性が期待でき、強酸性の性質を持つ改良用土です。(弱酸性から中性に調整されたものも流通します。)湿地などに生育する蘚苔類が泥炭化して腐熟し、形成されたものです。腐葉土と同じように基本用土に加えて使い、単品で使うことはほとんどありませんが無菌なので室内での栽培に用いやすいです。

 

植物性の改良用土ですがミネラル分が含まれていないことは把握しておきたい特徴です。

堆肥作りの基材として黒土と共に使われることもあります。

 

また、ピートモスの変わりになるココピートという素材もあります。ココヤシの果皮から作られたもので通気性が高いと言えます。

 

※水分を含ませてから使うと扱いやすいです。乾燥しすぎている状態では水のなじみが悪くなるためです。また、強酸性のためツツジ科など酸性土を好む植物はそのまま使えますが、それら以外は酸度調整済みのものを使うか、苦土石灰などで中和させます。

 

燻炭(くんたん)

燻炭

もみ殻を燻製のように蒸して、炭化させたものです。通気性を改善してくれます。粗目の粒が特徴的な用土。弱アルカリ性の性質を持ち、配合する量も少量で使います。

 

入れないよりは入れた方が美味しくなる隠し味のような存在です。

同じような素材でヤシガラ活性炭というものもあります。こちらは通気性に加えて、有害物質の吸着作用がある優れものです。燻炭と同じように使用します。

 

堆肥作りなどにおいても通気性を確保するために黒土などに混ぜて基材として使用することがあります。弱アルカリ性のため、酸性に傾いた土壌の中和として用いることもできます。

 

※特に黒土や荒木田土なのどの重めの基本用土に加えて通気性を確保させるのに重宝します。

 

バーミキュライト

バーキミュライト

蛭石(ひるいし)を約1000℃ほどの高温で焼いて作られた弱酸性質の改良用土です。多孔質なため保水性と保肥性を期待して用います。

無菌なため、種まき用や挿し木用などの土として使われます。

また室内での水耕栽培などにも重宝する用土です。

 

※黒土や荒木田土などの重い改良用土に加えるのは適さず、赤玉土などの粒状の基本用土に加えて使用します。

 

パーライト

パーライト

真珠岩(しんじゅいわ)を高温で焼いて粉砕した人口の砂礫です。とにかく軽いのがその特徴で、ハンキングバスケットなどの栽培用土に加えて軽量化を狙ったり、排水性と通気性を高める期待をして改良用として用います。保水性と保肥性は期待できません。

 

弱アルカリ性の性質を持つので、ピートモスなどの強酸性の用土の中和として使えば、室内やキッチンなどの衛生面が気になる場所での培養土づくりにも重宝します。

 

※水に浮きやすく流れやすいため汎用性はあまりないですが、大きなタイプのハンキング鉢には重宝します。(土の量が多くなる場合は特に)

 

特殊用土

 

水苔(みずごけ)

湿地帯植物の蘚苔類(オオミズゴケやサミズゴケ)を乾燥させたもの。高い通気性と保水性を期待できる軽くて無菌な素材です。基本的には強酸性の性質を持ちます。

 

湿地性の植物の栽培用土としてや、観葉植物の植え込みに単一で用いることも多く、基本用土としての位置づけも。マルチング材として保水性を期待して用いることもできます。水に浸して吸水させて使用します。

 

※乾燥すると吸水しにくくなる性質を持ちます。繊維が長くて白いものが特に品質の良いものとされます。

 

ケイ酸塩白土(けいさんえんはくど)

特殊な粘土を加熱して作られる中性質の素材です。老廃物の吸着効果が期待でき、根腐れを防止する性質が特に注目されてます。寒害防止としての効果も期待できる多機能な素材です。

 

土が酸性でもアルカリ性であっても、中性に中和する働きがあるため、ph調整のエキスパート的な存在と言えます。

 

マグネシウム、カルシム、鉄、ナトリウムなどのミネラル類も含まれるので、植物の生長を助けてくれます。水耕栽培用土に加えて多用されることも多く、保肥性も期待できます。

栽培用土に5~10%程を目安に混ぜて使います。

 

また、沸石という天然鉱物であるゼオライトなども同じように使うことができます。こちらも保肥性が高く、そのまま水耕栽培用土としても使うこともできます。

 

※鉢底に敷けば、健全な根の成長を手助けしてくれます。

 

その他の改良、調整材

バークチップ

樹皮を乾燥させて砕いた素材です。細かいものは単一で栽培用土(ラン類など)として使ったり、軽石などに加えて改良用土としても。保水性を期待でき通気性も良い素材です。

また、庭の花壇のマルチング材としてや化粧石のようにプランター土を覆って使えば、室内での美観向上にも役立ちます。

 

ヤシのみチップ

保水性を期待して用いることができる素材です。ヤシの実の繊維質を細かくして作られたものです。排水性の高い軽石などの基本用土に少々の保水性を持たせたい場合などに重宝する調整素材です。

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