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大寒

二十四節気

大寒

だいかん

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大寒(だいかん)1月20日~2月3日頃

1年の中で最も寒くなる頃。極寒の冬の中にも春の兆しがちらつきます。厳しい寒さが花芽を育て、春の芽吹きに向けて準備をします。

この時期の自然の営みとくらし

寒さが最も厳しくなる時期で、最低気温を更新するのもこの頃です。滝が凍る氷瀑(ひょうばく)や湖などで見られる、しぶき氷という現象もこの時期の風物詩と言えます。そんな冬の寒さも春の芽吹きにはとても大切なエッセンスとなります。

 

冷たく厚い雪はまるで毛布のように大地を包み、土の中は春の準備を始めています。花芽が育ち、蕗の蕾もそろそろ顔を出し始める時期です。

 

年末年始と忙しく働いた身体をいたわる為に昔は仕事を休む習わしがあったのが、お正月の祝い納めの日とされる1月20日の20日正月(はつかしょうがつ)。お正月用に調達した食材などでお鍋などをして、あまりものを食べつくすことで、実りへの感謝を込めるという意味もあるのだそう。仕事はなかなか休めないとしても、ちょっと身体をいたわることを意識した日として過ごすと良いでしょう。

 

冬の日差しの中に春を感じる瞬間が味わえるのもこの時期。昼は確実に伸びていることも実感し始めます。

 

「三寒四温(さんかんしおん)という寒い日が3日続くと温かい日が4日あるという意味の言葉もあるように、極寒の寒さの中にも小さな春の兆しがみられることもあるでしょう。 春に向けての寒い日々は季節の機微も感じ取りながら過ごせる味わい深い冬となります。

 

一月の終わり頃に花を咲かせるのは福寿草(ふくじゅそう)という植物。真冬の冬枯れが目立つ大地に落ち葉を掻きわけるように咲く姿が見られます。鮮やかな黄色の花びらは光沢があり、春を告げる縁起の良い植物として親しまれています。 永久の幸福、思い出、幸福を招く、祝福。そんな花言葉をたくさん持つ花です。

 

立春を迎える前日が節分の日。冬から春に変わる季節の節目には豆まきををして、恵方に向かって太巻きを丸かぶりすれば、春と共に福を呼び込む準備は完了です。

風物詩

氷瀑(ひょうばく)、金柑、豆まき、恵方巻など

  七十二候

初候欵冬華さく(1月20日~1月24日頃)

(ふきのとうはなさく)

蕗(ふき)が蕾をのぞかせる頃。冷たい土の中でも春へと準備が進みます。

次候水沢腹くかたし(1月25日~1月29日頃)

(みずさわあつくかたし)

厚い氷が張りつめる頃。もっとも気温が低くなる時期でもあります。

末候鶏始めて乳す(1月30日~2月3日頃)

(にわとりはじめてにゅうす)

鶏が卵を始めて生み始める頃。春の気配も着々と近づくいてきていることを知らせます。

旬の恵みや草花

小松菜

旬は12月~3月頃。霜に当たると甘みが増して葉も柔らかく美味しくなります。冬に大きな葉を青々と茂らせる姿はとても力強く、生命力を感じさせてくれる冬の貴重なお野菜です。 鉄分、カルシウムなどの栄養も豊富です。シンプルに湯豆腐と一緒に食べたり、お粥に入れて食べるのもこの時期にはピッタリ。

水菜

12月~2月が旬。冬の畑の恵みとして貴重なお野菜です。シャキッとした歯応えが美味で、サラダはもちろん鍋にも出番の多い食材です。ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、カロテンもたっぷりで冬の滋養にもピッタリ。  

金柑

ミカン科の果実で小さな姿が愛らしい金柑。皮にはビタミンCが豊富で、皮ごと頬張って食べられるのも魅力的。甘露煮や金柑酒などにして楽しめます。旬は12月~2月。

南天

魔除けや火災除けの効果があると信じられ、「難を転じて福となす」という言葉にも通じる縁起が良い植物。冬の時期は赤い小さな実をたくさんつけます。お正月飾りはもちろんリーズづくりなどにも多用されます。 観賞用に庭木としてや玄関前などに植えられることが多く、冬の庭を彩ります。白い実をつける白南天の実は漢方として咳止めの薬にもなります。

この時期の行事

初地蔵

毎月24日はお地蔵さんの縁日とされていますが、新年の縁日に当たる1月24日は初地蔵と呼ばれ、特に縁起の良い日とされます。この時期、多くの参拝者で賑わうのは巣鴨のとげぬき地蔵尊とよばれるお寺。

節分

鬼を追い払って新年を迎える、立春の前日の行事のこと。 季節の変わり目には悪鬼が現れるとされて、「鬼は外、福は内」の掛け声で豆まきをします。 数え年で自分の年の数の豆を食べると、健康になると言うジンクスも。精霊が宿るとも言われ、大地を肥沃にする植物でもある大豆をまきます。

福を呼ぶ恵方巻の食べ方は、恵方に向かって一本の太巻きを口をきかずに食べきることです。恵方とは縁起の良い方角を意味するので、その年の恵方がどの方角なのかも調べてみてください。

また古代において、おまじないのような儀式としてだけではなく、現実的に豊かな食物を得るため、畑に種(穀物)をまくという仕事始めの日でもあったとされます。

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