夏至

二十四節気

夏至

げし

夏至(げし)6月21日~7月6日頃

1年の内で、もっとも日が長くなり、夜が短くなる頃。暑さも日に日に増していき、陽ざしも夏らしさを帯びてくる季節です。

この時期の自然の営みとくらし

梅雨真っただ中でじめっとした日が続きます。空も暗くて洗濯物も乾かず、気分も沈みがちになる頃。 つかの間の晴れの日には、青々とした木々の葉に留まった雨粒がぽたぽたと落ちてくる現象に出会うことがあります。青時雨(あおしぐれ)と呼び名の付く自然の情景は、この季節を情緒深く味わえる一瞬と言えるでしょう。

晴耕雨読(せいこううどく)という言葉がありますが、お日様が顔を出す貴重な日は外に出て庭仕事や散歩でサンシャインシーズンの自然を満喫し、雨の日は家で癒し時間として本を読んだり、心と向き合う静かなひと時を過ごすのが良いでしょう。

この頃に咲くのはウツボグサ。紫色の小さな可愛らしい花が花穂にたくさん咲きます。ハーブとしても有名で英語ではall heal(すべてを癒す)と命名されているほど。ドライにした花穂のお茶は利尿作用や消炎作用、治癒促進作用を期待してデトックス茶やうがい薬などに活用されます。強壮剤にもなる夏の時期のありがたい薬草です。

あやめも梅雨時期に色どりを添えてくれる花のひとつ。日本各地の山野に自生しているのでこの季節の風物詩として親しまれてきました。スラっとした葉に紫色の蝶が舞っているような趣が美しい花です。日本各地にある自然公園などでは見ごたえのある光景が広がっているはず。

夏至から数えて11日目が半夏生(はんげしょう)と呼ばれます。新暦では7月2日頃から七夕までの5日間。田植えを終えた農家が休息をとる雑節です。この日に降る雨を半夏雨(はんげあめ)と呼び、田の神様が天に昇っていく様子に見立てたのだそう。大雨になることも多いとされ、天気によって今年の豊作を占う習わしもあったとか。

7月2日はうどんの日となっていますが、半夏生に由来するもので、田植えなどを手伝ってくれた人たちの労をねぎらい、うどんをふるまう習慣があったことから制定されたのだそう。関西ではタコ、福井県ではサバ、奈良ではきなこ餅など、地域によって半夏に食べるものもバリエーション豊かです。

7月に入ると至る所でにぎやかなお祭りも増えていきます。全国の八坂神社により祇園祭と称したお祭りが日本各地で開かれるのもこの頃。地元の祇園祭もチェックして夏の風物詩を味わいましょう。総本社である京都の八坂神社による祭礼は日本三大祭のひとつです。

風物詩

あやめ、紅花摘み、キャンドルナイト、半夏雨

  七十二候

初候乃東枯る(6月22日~6月26日頃)

(なつかれくさかれる)

うつぼぐさの花穂が黒ずんで枯れたような装いになる頃。ウツボ草は古来より古今東西薬草として使われてきました。

次候菖蒲華さく(6月27日~6月31日頃)

(あやめはなさく)

あやめの開花期を迎える頃。美しい紫色の花はどんよりとした梅雨の時期に風情を感じさせてくれる風物詩と言えます。

末候半夏生ず(7月1日~7月6日頃)

(はんげしょうず)

半夏(カラスビシャク)と呼ばれる生薬にもなる植物が生え始める頃。農事歴では田植えを終わらせる節目となります。

旬の恵みや草花

紅花

紅色の染料となる紅花が美しく咲く季節がやってきました。現在は希少と言える紅花畑ですが、関東では埼玉県桶川市や千葉県長南町などに紅花畑があります。山形県ではベニバナが県花になっており、観光イベントのひとつとして紅花祭りや紅花摘みの体験できる催しが開かれます。6月下旬~7月頃が一番良質な紅花が摘める時期なのだそう。

夏みかん

正式名称「ナツダイダイ」と呼ばれる夏の蜜柑が旬を迎えます。夏の疲れにクエン酸やビタミンCが身体に染みわたります。夏らしく実をサラダに入れたり、フレッシュジュースを朝食に楽しむのも素敵。自家製マーマレードもいいですね。外皮を生かした砂糖漬け(丸漬け)やゼリーなども各地の特産品として流通します。

オクラ

おくらも夏の料理を彩る旬の味覚。ねばねば成分には免疫力を高めてくれる効果も。刻んで納豆に混ぜたり、シンプルに天ぷらも美味。ゆでてそのままディップにつけて食べたり、カレーや炒め物にも。胃腸を整え、β-カロテン、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンC、カルシウム、葉酸、食物繊維などなどたっぽりの栄養が夏の滋養をサポートします。

みょうが

夏には出番の多い野菜のひとつ。独特の香味が特徴で、そうめんの薬味や他の夏野菜と一緒に出汁醤油に漬け込んでつくる常備菜にも。ごはんにかければ食欲のない時期でもごはんが食べたくなる夏バテ解消メニューのひとつ。香りは集中力を高める効果もあるとされ、暑さで散漫になった気を締めて、シャキッとさせてくれます。

この時期の行事

キャンドルナイト

夏至の夜に世界的に開かれるイベントが キャンドルナイト。2001年にアメリカでスタートしたこのイベントは、ほんのひと時だけでも照明を消してキャンドルの灯りで過ごそうというもの。ここ日本でもそんなキャンドルナイトを楽しむ人が増えています。 20時から22時の間、電気を消してキャンドルの灯りを灯すことが基本的な決まりとされ、その間は瞑想や様々な祈りの時間としたり、屋外イベントなども開催されるので、足を運んでみるのもいいでしょう。梅雨時期とも重なるこのころはキャンドルの灯りの揺らぎも一層引き立ち、癒しの時間となることでしょう。

夏越の祓(なごしのはらえ)

日本の神道儀式の一つで、6月と12月に罪や穢れを落とす祓の行事があります。6月は大祓いとして夏越の祓と呼ばれ、半年間に溜まった病と穢れを落とし、残りの半年を無事に過ごせることを祈願します。新暦6月30日に行われ、各地の神社で「茅の輪潜り(ちのわくぐり)」の儀式が行われます。一般の人も参列可能なので、地元の神社に足を運んでみては。

祇園祭

日本三大祭の一つに数えられる京都の八坂神社の祭礼で、7月1日~一か月程続く続きます。この間に様々な祭事が行われます。京都の夏の風物詩として親しまれ、多くの観光客でにぎわいます。 平安京での疫病の流行により朝廷は863年(貞観5年)に、無病息災を祈る儀式として行われたのが起源と言われています。お祭りも佳境に入る頃に祇園囃子を奏でながら、長刀や鉾を立てた23基の山鉾が巡行する光景が京都の町に広がります。

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