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大雪

二十四節気

大雪

たいせつ

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大雪(たいせつ)12月7日~12月20日頃

いよいよ冬本番にさしかかり、本格的に雪が降りだす頃。降雪地方ではすでに雪が積もっています。 平野でも所によって雪が舞う日もあるでしょう。新年の準備を始める時期でもあります。

この時期の自然の営みとくらし

本格的な冬となり、降雪地方では灰色の厚い雲が空を覆い、雪は連日振るようになります。雪は積もり始め、あたり一面は真っ白な白銀の世界となっていきます。

 

平野部では雪が降る代わりに冷たい風が吹き荒れることも。遠くの山々には雪が降り積もっているのがみられ、時折平野に舞い散ります。

 

川辺や湖のほとりで空を見上げれば、大鷺(だいさぎ)という野鳥が飛んでいるのがみられます。長い脚と真っ白な羽が特徴的な大きな鳥です。首を引っ込めるようにして飛ぶ姿も印象的。

 

豪雪地域では、「雪吊り」と言って雪の重みで木の枝が折れないように、木より高い支柱をたてて、頭から針金や縄を枝に伸ばして結び支える作業をします。芸術性を帯びたその光景はこの時期の風物詩となります。石川県金沢市の兼六園の雪吊りは名所となり、東京の甘泉園公園でも雪釣りが施されます。

 

このころから新年の準備が始まり、12月13日は正月の事始めの日とされています。すす払いをはじめ、大掃除をして清めます。松迎えと呼んで松飾り用の松の枝を山に取りに行く習わしも。

 

この時期は虫たちの姿もぐっと減りますが、青紫色に光る羽をもつちょうちょが枯葉に紛れていることがあります。冬の間は成虫の状態でじっと春を待つこの蝶は、むらさきしじみと呼ばれます。冬枯れ深まるこの時期だからこそ美しさが際立つようです。

 

各地の川で秋の終わりごろからはじまる鮭の遡上。成長した鮭たちが産卵のために故郷の川を上っていく営みは最盛期に入ります。上流に行けば行くほど迫力のある光景がみられるでしょう。

風物詩

雪吊り、正月の事始め 、鮭の遡上、むらさきしじみなど。

  七十二候

初候閉塞く冬と成る(12月7日~12月11日頃)

(そらさむくふゆとなる)

濃い灰色の雪雲に覆われた暗い空が真冬が訪れたことを告げます。今にも雪が降りそうな空を雪曇りと言います。

次候熊穴に蟄る(12月12日~12月16日頃)

(くまあなにこもる)

巣穴に熊がもどり、冬ごもりを始める頃。その昔、熊は食料を貯蔵する動物として人々と共にありました。

末候鮭魚群がる(12月17日~12月21日頃)

(さけむらがる)

鮭の大群が川を遡ってくる頃。海で成魚となった鮭は産卵のため、生まれ故郷である上流を再び目指します。

旬の恵みや草花

だいこん

ふろふき大根もおいしく頂ける旬の時期を迎えます。特に甘みが強いのは青首大根と呼ばれる品種。シンプルな調理で旬の味を満喫しましょう。大根とレモンのピクルスもおすすめです。

ねぎ

旬は11~1月。冬に出番の多い鍋料理にもかかせません。焼きネギは甘みが引き立ってより美味です。風邪の予防や疲労回復にも心強い冬のお野菜です。

にら

この時期のにらは葉が大きくてとても柔らかくよりおいしくなります。胃腸を整えてくれる作用や冬の養生にも活躍のにら料理で抵抗力をつけて冬を越しましょう。昔から重宝されてきた薬草の一つでもあります。

椿

日本の暮らしを象徴するような花のひとつ。寒い時期に庭を彩ります。椿からとれる油は食用としてはもちろん、明かり用、髪のお手入れ用と幅が広い使われ方をしてきました。

この時期の行事

世田谷ボロ市

12月と1月の15日~16日頃に東京都の世田谷で催される市です。700店以上が出店し、一日に20万人以上が訪れる大規模な催しです。 農産物はもちろん、古着や道具、食料品、骨とう品など掘り出し物もたくさん。名物は代官餅。これを目当てに訪れる人もいるとか。歴史は安土桃山時代まで遡ると言われています。 一月に訪れればその光景は新年の景気づけになることでしょう。

羽子板市

東京浅草の浅草寺で催される歳の市。師走の浅草の風物詩のひとつとされ、境内にお店が並び多くの人でにぎわいます。12月17日~19日に渡って行われるため18日の観音様のご縁日と重なり、一年の締めくくりとして縁起担ぎにも。正月用品や縁起物も並ぶので、新年の準備も兼ねて参拝しては。

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