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アロマティカス aromaticus

アロマティカスの紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

カレンデュラ

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アロマティカスの概要

学名

Plectranthus amboinicus

科名

シソ科

和名

アロマティカス

別名

インドミント、キューバンオレガノ、スープミント、フレンチタイム

花言葉

「友情」、「沈静」

開花期

4月~7月

使用部位

原産地

インド・南アフリカ

草丈

5cm~30cm

多年草(常緑亜低木)

 
 

ぷっくりとした肉厚で丸みのある葉が特徴的。ふわふわとした白色の軟毛が可愛らしい常緑、多肉系のハーブです。

 

ミントのような香りとコショウのようなスパイシーかつ、さわやかな芳香が印象的。ふんわりとした手触りで触れるだけで香りが広がります。

 

ミントと同じシソ科で茎はまっすぐと直立し、よく分岐するので増やすのも簡単。生育も旺盛で育てやすいためガーデニングビギナーにもお勧めのハーブです。窓辺やベランダで自由自在に大きさもコントロールすることができます。

 

夏ごろには淡い紫色の花を咲かせ、ところどころ濃い紫が斑点模様を作り出します。シソ科に共通しますが唇形花と呼ばれる唇のような形をした花姿です。日本の気候だと花が咲くのは稀だと言われますが、咲かせている人も多くいるので愛情込めて育ててみたくなるハーブです。

 

可愛らしい小さなポットで育てて雑貨のように飾るのも映えます。ハンギングバスケットでの栽培も可愛らしさがアップです。

 

ゴキブリなどの害虫の忌避効果も注目され、日本でも人気の植物。海外では紅茶やリキュールの香りづけとしてメジャーな存在です。

 

ハイドロボールやカラーサンドなどを用いた水耕栽培でお風呂の窓辺や洗面所などに飾っておくと刺激的な香りで空間が締まります。じめっとしやすい室内の空気をさわやかにしてくれるでしょう。

アロマティカスの種類

基本的には単色の葉ですが、葉に斑の入るタイプのものもあります。

 

スペインタイム、キューバンオレガノ、フレンチタイム、インドミント、メキシコミント、魔女オレガノ、インディアンミントなどなど、世界中で様々な名称で愛されている植物ですが、実は違う品種も混ざっている可能性が指摘されています。はっきりと区別されていないようですが似た植物が多くあるようです。

アロマティカスの使い方の参考

料理に

少量の葉を刻んでサラダに散らせば個性的なサラダに。サクッとした食感とスパイシーな風味が楽しめます。一般的なオレガノと同じように魚や肉類の臭み消しに用いられます。

 

ジンや焼酎などに漬け込んでリキュールにするのもおすすめ。ドライハーブにして香辛料としてスープなどの風味づけもできます。モヒートやハーブのアイスキューブなどにも。

ティーに

紅茶などに2~3枚浮かべると風味にさわやかさがプラスされます。少量をドリンクに浮かべて飾りにも。

 

その他

お風呂に浮かべてハーブバスに。フェイシャルスチームなどの芳香浴に用いれば呼吸器系の不快感を緩和したりも。特に夏のフェイシャルスチームはさっぱりと肌も引き締めてくれます。

 

石鹸やポプリの香りづけにも用いられます。ゴキブリ除けにもなるとして一躍メジャーになりましたが、ベランダや玄関先など虫が入ってきやすい場所に置いておくと効果を発揮してくれます。

アロマティカスの育て方と収穫

耐寒性はないので基本的にはコンテナで栽培するのがスタンダード。観葉植物として扱われることも多いので冬は室内管理が基本です。

好む環境

亜熱帯性海洋気候の地域を原産としているため、日本の湿度が高い夏にも適応しやすい。四季にメリハリがある日本では冬の寒さには適応できない。日本の6月~8月くらいの時期は最も生育が旺盛となるが。高温多湿で猛暑となりやすい日本の夏は一時弱ることがある。

種蒔き&育苗

苗から育てるのがスタンダード。

定植

室内で管理するのがスタンダードなので、春から秋にかけていつでも定植可能。外に置く場合は夏は避ける。株の大きさもコントロールしやすく、根も浅くはるので、コンテナの大きさも問わない。好みのものをチョイスして。

多湿に弱いので排水性の高い土を用いる。多肉植物用の培養土を使用したり、観葉植物用の土を用いる場合も赤玉や鹿沼土を5割程ブレンドすると良い。

肥料

春に元肥として緩効性肥料を与える。夏を除いて追肥として液肥を2週に一度程度与えると良い。ただ、基本的には多くの肥料を必要としないので与えすぎに注意。

日当たりと場所

半日陰~日向を好む。日陰だと徒長しやすく葉のふんわり感もなくなってしまうので注意。春先などはたっぷりと日光を当ててあげるとふんわりと育ってくれる。

水やり

やや控えめで乾燥気味を意識した水やりを心がける。梅雨時期や半日陰くらいの場所なら、土の表面が乾いてから2~3日後に与えると根腐れを起こしにくい。

病害虫

特にないが、風通しの悪い場所や梅雨時期はアオムシがつくことがある。多湿や水の与えすぎで株が弱ると、アブラムシやカイガラムシなど比較的定番の虫もつくことがある。時々ニームオイルなどで葉水をしてあげると良い。屋外で管理している場合、湿度の高い時期はナメクジの被害に注意。

 

夏に意識したいポイント

乾燥しやすい夏はたっぷりと土の表面が乾いたら水を与えるようにすると成長が促進される。成長期でもあるが、葉が茂りすぎると株元が蒸れて枯れる。間引きや切り戻しで風通しよく仕立てる。湿度が高い時期程たくさんの日光で水はけを促進できる場所で管理したい。

冬に意識したいポイント

5℃以下になると枯れるため、耐寒性はない。冬は室内で管理。半屋外などのベランダであれば、水を控えめに管理すれば越冬可能。冬に枯らす原因の多くは水の与えすぎなので控えめに。

収穫

一年中可能。室内管理なら冬場もOK。株が小さいうちから少しづつ収穫できるのでハーブティーや紅茶などに浮かべて楽しんで。たくさん収穫したらドライにしたり冷凍すると長期保存可能。

 

※伸びすぎたり徒長したら株元から切り戻すと株姿が整う。根付くのも早いため、春から夏にかけて挿し木や株分けで増やせる。切り戻したら増やして楽しめる。ガラス瓶などに水差しして飾り水耕栽培したり、発根したら土に植えるなどする。

※大きく成長してくると株が木質化してくるので、新芽を切って挿し木で株を更新すると良い。木質化すると香りも弱まる。

アロマティカスのよもやまエピソード

元は南アフリカ地域に自生していた植物ですが、アラブ人や他の貿易業者による、インド洋の海上貿易ルートに沿ってアラビア、インド、東南アジアに運ばれていった経緯があります。

 

現在は世界の亜熱帯、熱帯地域に帰化して広がりを見せています。 世界中で多くの名称で親しまれている理由もここにあり、ヨーロッパに持ち込まれたのはアジアに広がった後で、スペインからアメリカに持たされた経緯からアメリカではスペインタイムと呼ばれることが多いそう。

 

原産地の東南アジア、インド、南アフリカなどでは、メディカルプランツとしてアロエのような使い方がされているそう。やけどの鎮静や肌の鎮静を目的として塗りむことで治癒の促進が期待されているようです。