カモミール

カモミールの紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

カモミール

カモミールの概要

学名

ジャーマンカモミール:Matricaria chamomilla(Matricaria recutita)
ローマンカモミ-ル:chamaemelum nobile

科名

キク科・シカギク属(ジャーマンカモミール)
カミツレモドキ属(ローマンカモミール)

和名

カミツレ(加密列)(ジャーマン)
ローマカミツレ(ローマン)

別名

センテッドメイウィード(ジャーマンカモミール)
ペレ二アルカモミール(ローマンカモミール)

花言葉

「逆境の中でのエネルギー」

開花期

4月~9月 (品種による)ジャーマンは春から初夏。ローマンは夏。

使用部位

葉・花・茎

原産地

地中海沿岸(ローマン)
ヨーロッパ、西アジア、(ジャーマン)

草丈

15cm~100cm、品種によってばらつきがある。一般的なカモミールは50cm~60cm程。

多年草 (ジャーマンカモミールは一年草)

 
 

春先から夏の終わりまで賑わいを見せてくれる可憐なカモミール。カモミールという言葉の響きを耳にしたことは多いはず。 不眠やイライラなどの心身の状態をリラックスさせる効果が高く、カモミールティーはハーブティーの王道です。

大昔からたくさんの人に愛され利用されてきたハーブと言えます。お茶から染色まで多様に用いられています。リンゴのような甘い香りを放ち、デイジーに似た白い花びらと黄色のコントラストが美しい花を咲かせます。細い羽状の葉も特徴的。

童話として世界中で愛されているピーターラビットの世界にも登場し、ファンタジックな趣はより一層、人気を集め続けています。 いくつかの品種がありますが、どのタイプも丈夫で一年草、多年草に限らず、こぼれ種でもどんどん増えていくので育てやすいハーブです。庭を彩るにも最適で、広がっていく姿を眺めるのも楽しいものです。

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カモミールの種類

同じキク科の植物ですが、いくつかの品種があります。ハーブティーによく利用されるのはリンゴのような芳香を持つ、直立性のジャーマンカモミール。小ぶりな花が可愛らしく、一年草ですが、こぼれ種でもどんどん増えます。

ローマンカモミールと呼ばれるのは、ジャーマンよりも大きめの花を咲かせ、多年草で横に広がるように増える匍匐性を持つタイプ。ジャーマンと比べると花も葉も同じように強く香るので、ポプリやクラフトに最適な品種と言えます。

食用ではなく、染色用として用いられるダイヤーズカモミールと呼ばれる品種もあります。他の品種のような香りはないですが、花は中心も花弁も鮮やかな黄色で、ドライフラワーにも最適。少量でもイエローに染め上げてくれます。他の種に比べて草丈が高く(100cm程)成長し、夏から秋の初めまで花を咲かせるので美しい庭の演出を狙えます。

他にも、八重咲の小さな白い花が咲くローマンカモミールダブルフラワーとよばれる品種や花の咲かないローマンカモミールノンフラワーという品種も。これらは、芝生とコラボして用いられたりしているようです。どちらも、香りが良いので、足元から香るグランドカバーとして利用でき、積極的にガーデン造りに取り入れたい品種と言えます。

カモミールの主な薬効作用

消炎、鎮静、鎮痙、駆風、強壮、(主にジャーマン)

※妊娠期は控えめにする。

カモミールの主な適用症状

皮膚炎、月経痛、胃炎、胃潰瘍、消化不良、気管支炎

カモミールの使い方の参考

料理やティーには、香りが甘く優しいジャーマン。やや苦みが感じられるので、美容や外用にはローマンを使うのが相性が良いでしょう。エッセンシャルオイルの抽出にも、ジャーマンよりもローマンの方が用いられることが多く、鎮静作用のエステルという成分がより多く含まれているのだそう。

料理に

花を生地に練りこんで、パンや焼き菓子に用います。香りがよく癖になる風味が美味しいです。ゼリーやジュース、シロップづくりなどに加えれば、フルーティーな香りをより高めてくれます。

サラダなどに花弁を散らして飾れば、食べられる彩を加えられそうです。 特にジャーマン種が料理との相性が良いとされています。ローマン種はより香り強くやや苦みを持つので使い方を工夫する意識をします。

ティーに

特に花をハーブティーに利用します。もっとも親しまれている用い方と言えます。フレッシュのままハーブティーにするのも自家栽培の醍醐味です。 ハーブティーに適している品種はジャーマンで、ローマンは香りが強めなのでハーブティーにする場合は量を少なめにします。

ストレスや神経性胃炎、不眠などをサポートしてくれます。芳香浴も兼ねれば、気管支炎の緩和も期待できます。 冷え性や月経痛の緩和も期待できるので作り置きしたいドライハーブの一つと言えます。

美容にも

ハーブバスとして用いれば冷え性対策にもなり、美容にも積極的に用いたくなる効果を期待できます。保湿、肌荒れ防止を期待できる美肌効果や美白効果があるともされていて、日焼けのケアに利用するのも効果的。

フェイシャルスチーム、特に精油を用いて手作り化粧水などに利用しましょう。シャンプーやリンス剤に加えると、髪の軟化効果や、つやを増す効果が期待できます。

疲れ目の癒し効果を期待して、浸出剤を含ませたコットンなどを用いたアイパックもすっきりします。 ローマン種が特に鎮静作用の成分が多く含まれていて相性が良いようです。

その他

抗炎症や鎮静が期待できるので、湿布剤として用いたり、傷や皮膚の炎症などにも使えます。チンキ剤を作ってストックしておけば、健康面でも美容面でも用いる幅が広がります。

ローマン種は香り強いので、ドライにしてハーブピローやサシェ、リーズづくりにも最適です。 イエローやグリーンの染色剤としても利用できます。

特にダイヤースカモミールの花はイエローからオレンジ色に染め上げ、さらに色も落ちにくく変色しない染料と言われています。

カモミールの育て方と収穫

生育も旺盛で栽培は容易。苗の定植時期は春か秋。寒さには強いので秋植えすると冬越して翌年大きく育ちやすい。大きくなってからの移植を嫌うので、苗も小さいうちに。株間は20cm~30cmが目安。

種子からの栽培も容易なので挑戦するのもいい。地植えならバラ播きでたくさんの生長を期待できる。 3~4月の春と、9~10月の秋を目安に種子を播く。好光性種子なので、土は薄く被せるかほとんど被せない方が発芽しやすい。秋蒔きの場合、開花は翌年以降からだが冬越出来るので、秋蒔きの方が春に早く開花すると言える。

プランター栽培にも適していて、一年草のジャーマン品種でもこぼれた種で毎年、芽を出してくれるので、多年草のように楽しめる。

保水性と排水性のバランスが良い一般的なハーブ培養土でOK。特に鉢植えの場合は、やや水はけがよい方が蒸れ防止になるのでパーライトや赤玉土を多めに配合するのも良い。

肥料

植え付け時に元肥を与え、夏と冬を避けて追肥を。液肥が与えやすい。窒素分が低い肥料の方が花付きが良い。

日当たりと場所

日がしっかりと当たる場所が理想的。ローマンカモミールは半日陰ぐらいの方が、夏場の枯れこみが少ない。

水やり

メリハリをつけて与える。湿り気が常にあると株元が枯れる。特に夏、鉢植えなどは葉にかからないように株元に水を与えるようにしたい。

病害虫

高温多湿になると株が弱りやすくアブラムシやハダニが発生しやすいので、日頃から自然農薬や有用微生物の液肥を施して株の抵抗力を高めておきたい。とくに収穫して使いたい場合は、多湿の時期は適度な収穫と切り戻しをして虫に食べられる前に。

夏に意識したいポイント

耐暑性がやや劣るので、梅雨時期になったら、収穫もかねて株元から刈り取ると良い。 多湿による蒸れに弱いので、水の与えすぎに注意。株元が枯れやすいのもこの季節。特にローマン種は茂りやすく多年草でも暑さと多湿で枯れることがあるので注意。

冬に意識したいポイント

耐寒性はあるので冬越は容易。鉢植えの場合は水やりはごくごく控えめに根が枯れない程度に与える。

収穫

花は、中心の黄色の部分が大きく膨らんで花弁が反り返りはじめたら収穫の適切な時。ジャーマン種は花の部分だけを花の根元を指に挟みこんですくい取るように収穫。花は夕方になると閉じるので、晴れた日に朝摘みするようにしたい。

日陰で乾燥させるか冷凍保存もできる。ローマン種は茎や葉も香るので、収穫して積極的にハーブバスなどに使いたい。

 

※花も一度に咲くわけではないので、咲いた順に収穫しながら手入れをするようにしたい。このローテーションが作り出せるのが理想的で特に日本の夏をうまく綺麗に乗り切るポイント。

※ローマン種やダイヤーズ種は株分けで増やせる。春先から梅雨前までに。

※花が咲き終わったら、残った茎などを切り戻して株が疲れないようにすることを心がけると良い。新芽も伸び、株姿も綺麗に整う。

※特に草丈が低い匍匐性のローマン種は株元がやや枯れ気味になるのは生理現象の一つとしてとらえることも大事。グランドカバーとして用いる場合はそこまで気にならないが、使用するために栽培する場合は枯れた部分を取り除くなど、手入れをするに越したことはない。地植えでグランドカバーにしている場合は地際で大胆に春先に切り戻して。

カモミールのよもやまエピソード

大地のリンゴという愛称がありますが、名づけたのは古代のギリシア人で、カモミールの名前の由来にもなっています。

この甘い香りには虫除けの効果がるとされた記録も残っていて、 コンパニオンプランツとしても期待でき、庭に植えておけば、他の植物の病害虫を予防したり生育を促してくれる存在という逸話もあります。優れた肥料効果も期待でき、堆肥作りの材料にも最適なのだとか。

薬草としての歴史も深くメディカルの側面が期待されていたのは古代からで、古代エジプトではその薬効を称え、尊び神に祭ったほど。西欧では自然の薬として様々な症状に効果的として語り継がれ、「おばあちゃんの薬箱」のレギュラーてき存在でした。