フェンネル

フェンネルの紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

フェンエル

フェンネルの概要

学名

Foeniculum vulgare

科名

セリ科・ウイキョウ属

和名

ウイキョウ (茴香)、ショウウイキョウ(小茴香)

別名

スイートフェンネル、フユイヌ(フランス)、フィノッキオ(イタリア)

花言葉

「賞賛の価値」「精神的強さ」

開花期

6月~8月

使用部位

葉・茎・花・種子

原産地

地中海沿岸・アジア

草丈

100cm~200cm

多年草

 
 

直立したまっすぐな茎に繊細な羽のような葉姿が特徴的な代表的ハーブの一つです。鮮やかな緑色の葉はよりアースカラーを連想させるような印象があります。大きく高く成長し、軽やかで今にも飛び出していきそうなその姿が可愛らしさと力強さを感じさせます。

傘上に密集して咲かせるイエローの葉もまるで、線香花火を彷彿とさせる見逃せない要素。カラーリーフとしてもガーデンを彩ってくれる存在です。甘く柑橘系を思わせる香りが魅力で、花も、茎も葉も花も種子も全部丸ごと利用できる嬉しいハーブです。

アロマテラピーとして用いられる精油にはエストロゲン様作用をもち、女性の美容と健康をサポートしてくれるメディカルハーブとしても知られています。スパイスとしてよく流通しているフェンネルシードは馴染みがありますね。

スポンサードリンク

フェンネルの種類

一般的なフェンネルの葉は緑色ですが、ブロンズ色に色づくブロンズフェンネルという品種もあります。ブロンズの色彩の中にきらりと光るどかこかメタリックな要素を感じさせる趣が面白いハーブです。

また、茎を野菜のように食用として多用できるものとして、イタリアで品種改良されたフローレンスフェンネルと呼ばれる品種もあります。株元が膨らみ、白い塊を現します。この部分が特に美味しく食べれる部分とされています。

どの品種小さな黄色い花を咲かせ、同様に利用できます。

フェンネルの主な薬効作用

駆風、利尿、催乳、強壮、食欲増進、健胃、整腸、消化機能活性化、去咳、去痰

妊娠中や乳幼児は摂取を控えます。

※稀に、アレルギー反応が起こる場合があるとされるので、使用する場合は少しずつ様子をみながら(特に精油などの成分が濃いものは特に)

フェンネルの主な適用症状

食欲不振、消化不良、胃腸の不調や便秘、呼吸器系の不調、関節痛、口臭

フェンネルの使い方の参考

フレッシュな生葉は料理に積極的に使いたい部分。たくさん収穫できた茎もドライにしてストックし、香りづけに用いたり、ハーブティーに。種子もしっかりと乾燥させてストックして使い切りたいもの。

ミルクとの相性がよいので、多くのレシピに多用できます。臭み消しにも重宝します。ほんの少量でも風味がつき、世界中の料理のテイストに合わせることができる万能スパイスです。

料理に

葉や花は、生のままでもサラダやスープに入れて楽しめます。甘い清涼感を味わえます。また、葉を含めた茎の部分は香りづけとして料理に使います。脂っこい料理もさわやかなおいしさをプラスしてくれます。

柑橘系のハーブとの相性が良いとされ、ドレッシングの素材の一つに加えるのも美味しいです。マリネなどにもアクセントになります。 太く育った茎は、ホワイトソースと絡めた煮込み料理が絶品です。シチューやグラタン、クラムチャウダーなどにして。根ものと太い部分は特に具材としても最適です。

花も香りが良いので、エディブルフラワーとして楽しめます。 種子は、パン生地に混ぜたり、カレーのスパイス等に利用して、丸ごと味わいましょう。甘くスパイシーさが際立つ焼き菓子にもいいですね。 その他にも、葉はピクルスやザワークラフト、ビネガー作りにも最適な素材になります。

ティーに

丸ごとドライにしてハーブティーにも利用できます。婦人科系の悩みや風邪の症状緩和をサポート。生理不順などを整えてくれます。特に種子にはアネトールという成分が含まれ、咳の緩和に効果的と言われます。

関節の痛みの改善にも。フレッシュな葉もハーブティーに利用でき、よりマイルドな口当たりを楽しめます。消化を助けるので、食べ過ぎた後のお腹の不快感も緩和してくれます。

美容にも

葉や種子は、美容や痩身に効果的と言われるので、大胆にハーブバスにして楽しんだり、フェイシャルスチームで贅沢に美容の時間を過ごしましょう。母乳の出をよくしたりする効果も知られるので、産後の健康サポートにも活用したいですね。

その他

歯磨き粉に加えて用いると歯肉の健康に良いとされています。 香りが魅力なので花はドライフラワーにして香りと観賞を同時に楽しむのも良いですね。

※フェンネルの精油はその甘い香りが特徴的で、生理不順や更年期障害のサポートなど、女性特有の悩みのサポートをしてくれます。積極的にアロマテラピーにも活用したいもの。

フェンネルの育て方と収穫

春、または秋に種蒔きからも育てられる。植え替えに弱いので、直播で育てるのも選択肢の一つ。苗からの栽培の場合は、細根が出にくいため根鉢を崩さないように土を落とさずにゆっくりと丁寧に定植することを意識する。

苗も大きめのものよりも小さめの方が根づきやすいとされる。 株間は50cm~60cmくらいが理想で、直播した場合も、本場が3~4枚出そろった頃に間引く。根は深く伸ばすため、鉢植えの場合も深型の方が相性が良い。

高く成長するので、地植えの場合は場所をよく考慮して。 こぼれ種でもどんどん増えるので、庭の彩も兼ねて用いたいハーブと言える。繁殖力は強く、初めてのハーブ栽培にもおすすめと言える。

※同じセリ科のハーブである、コリアンダーやディルと自然交配することが知られているので、離して栽培する。交雑すると香りが弱まる。

※トマト類や豆類と混植すると成長を妨げるので、コンパニオンプランツとして利用するときにも注意する。

腐植質がたっぷりの肥沃な土が最適。ハーブ培養土や、野菜培養土も適していると言える。

肥料

有機質タイプの元肥をしっかり与えると良い。土の腐植質も高めてくれる。追肥も適度に与え、肥料切れにならないようにする。与えやすい有機タイプの液肥が肥料焼けを起こしにくいのでおすすめ。

日当たりと場所

日向から半日陰の場所が適している。ジメジメしやすい場所は避ける。風通しの良い場所で。

水やり

表土が乾いたらたっぷりと、メリハリをつけて与え、常に湿った状態にならないように注意する。水切れすると葉先から枯れ始めるので注意。

病害虫

アブラムシ、芋虫、カメムシなど、定番の虫が近寄りやすいが、思うほど害虫に悩まされることは少ないと言える。ただ、見逃すと一気に食害に合うので注意したい。夏場はほぼ間違いなくつくが、捕殺しやすい大きな虫なので、対策もしやすい。

夏に意識したいポイント

真夏が来る前に、収穫もかねて株元から切り戻しを大胆に行いたい。開花すると香りも落ちがちなので、秋に向けて新芽をまた育て、二度目の収穫期を期待する。

冬に意識したいポイント

地上部ほとんど枯れるので、根が仮死しない程度に水やりを。その際は、表土が乾くまで期間を要するので土の状態をよく観察して。

5℃以上あれば枯れずに緩やかな生長がみられる。耐寒性が強いとは言えないので、鉢上げするのもあり。室内で冬越をすれば、一年中収穫できるので挑戦するのも良い。ただ、地植えでも冬越出来ないわけでもないので臨機応変に。

収穫

草丈20cmくらいになったぐらいから葉や茎はいつでも収穫可能。花も開花すれば随時。 種子は夏の終わりから秋にかけて。花を摘まずに熟すのを待つようにする。

秋が近くなって、少しずつ茶色になり始めた時期に茎ごと切って、束ねてつるし、乾燥させてから採取すると効率が良い。その際、種が落ちないように花先を袋などに入れておくと良い(通気性を意識して紙の袋などが良い)。

 

※多年草なので、秋から枯れても春には芽吹く。こぼれ種でも増えるので、増やしたい場合も種からが効率が良い。

※二年以上育ていると、株元に小さな株が現れるので、それを株分けして増やすのも面白い。その際は根を傷つけないように、周囲の土ごと掘り上げるように注意する。

フェンネルのよもやまエピソード

ガーデンに益虫を引き寄せるハーブとしても知られているようです。古代エジプトやローマ時代から栽培され愛されてきた歴史も深いハーブです。魔よけや厄除けに使われていたという逸話も。ハーブらしい植物と言えます。

古くは、視力の衰え、眼の炎症に効果的とされ、洗眼液としての利用も好まれていたようです。ダイエットやアンチエイジングにも効果的とされた逸話は現代でも定評で注目され続けています。 クロアゲハ蝶の幼虫が好むようで、庭に美しい姿で飛び回る蝶に出会えます。より一層、庭の魅力を高めてくれるでしょう。

日本でも、長野、岩手、富山で多く栽培され、沖縄では「いーちょーばー(胃腸葉)』と呼ばれれる程、珍重されていたと言います。 インド料理店ではお口直しに「ソーンフ」というものが置かれていることがありますが、これはフェンネルの種子を用いているもの。口臭防止にもなるとか。

中国の代表的なスパイス「五香粉(ウーシャンフェン)」にも使われ、世界中で愛されているハーブです。