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レモングラス

レモングラスの紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

レモングラス

レモングラスの概要

学名

Cymbopogon citratus

科名

イネ科・オガルカヤ属

和名

レモンソウ、レモンガヤ

別名

オイルグラス

花言葉

-

開花期

8月~10月が開花期と言えるが、日本の気候ではほとんど開花は珍しいもの。

使用部位

葉・茎

原産地

熱帯アジア・インド

草丈

100cm~150cm

多年草

 
 

イネ科の植物でサトウキビを連想させるシャープな葉が特徴的。インドやスリランカなどの暖かい地域では野生でもみられるたくましいハーブです。

熱帯地域やアフリカではメディカルハーブとしての地位を築き、感染症の予防や風邪、胃腸の不調にも頼もしい味方として貢献している植物です。

エスニックな料理でも多く使われているレモンのような柑橘系の香りが魅力で、ハーブティーはフレッシュ感満載で、まさに、このハーブの魅力を一層感じさせる楽しみ方の一つです。

蚊よけ効果もあるので、夏の情緒のお供にも添えておきたい植物です。レモングラスのエッセンシャルオイルもメジャーな存在で、アロマテレピーーとしても多用されています。

レモングラスの主な薬効作用

鎮静、鎮痛、抗炎症、消化促進、発汗、殺菌、抗菌、防虫、駆風、消臭

※精油にはシトラールという成分が多く、より防虫効果を期待できる。

レモングラスの主な適用症状

消化不良、食欲不振、胃痛、頭痛、風邪

レモングラスの使い方の参考

※細長い上部の葉や茎は繊維質が強く食べにくいので、料理に使う場合は風味付け程度に使います。茎の根元の膨らんでいる部分は柔らかく最も香りが高いので刻んだり、すりおろしたりしてスパイスとして使えます。手でもんだり刻んだりしてより香りを高めてから使います。

料理に

エスニックな料理で多用したいハーブです。スパイシーな料理を自宅で楽しみたいなら、ぜひ使いたいもの。トムヤムクンなどの風味づけには欠かせないですね。

茎の根元の柔らかい部分を刻んでスープ料理に使うのが本格派。カレーなどに入れても、独特な風味を持つ本場のカレー作りができそうです。 ゼリーづくりやお菓子作りの風味付けにも。

ティーとして

香りが高く、レモンのようなフレッシュさを堪能できる一番の楽しみ方です。フレッシュでもドライでも楽しめます。先端の方の葉も余すことなく利用できるので、是非ドライハーブを作って置きたいもの。

他のハーブとの相性が良く、飲みにくタイプのハーブティーも飲みやすい風味に変えてくれます。緑茶や紅茶にもよく合うので、フレッシュな葉を入れて楽しみましょう。 殺菌効果も高く消化も助けるので、食事のお供としてや、夏の食中毒予防にも。

美容にも

収れん作用やデオドラント効果が期待できるので、ハーブバスやリフレッシュスプレーを作って夏のお供に。夏と相性の良い多用しやすい存在です。

虫除けにも

香りが高いので、ポプリやリースにしてスパイシーな芳香を部屋中で楽しむのも素敵です。 蚊よけ効果のある成分が含まれているので、室内で育ててナチュラルで穏やかな蚊よけ効果を狙うこともできます。 チンキ剤を薄めて、虫よけスプレーとして使うのも香りを堪能しながら忌避効果も期待できます。

リースやポプリなど、クラフトの素材にも積極的に用いて、香りを楽しみたいですね。

その他

水虫などの皮膚の疾患にも有効と言われ、チンキ剤や軟膏を作って、外用すれば効果を期待できます。 染色としての利用もでき、グリーンやイエローに染め上げることができます。 エッセンシャルオイルはアロマ香水作りに重宝します。

レモングラスの育て方と収穫

東南アジアなどの熱帯気候が原産地なので、日本での栽培は少し工夫が必要。耐寒性はないので、露地での冬越は基本的にできないと考えていた方が良い。夏はぐんぐん成長するので、栽培に挑戦して楽しみたい。

種蒔きからの栽培はあまり一般的ではないので、苗からの栽培をメインで考える。定植に適した時期は5月から~6月の夜も寒さを感じなくなる頃。苗もこの頃に出回り始める。

地植えで栽培する場合は、株間は60cm以上を確保、鉢は大きめの7号~で、深い鉢を用意したい。 植え付けるときは株元から、10cm~20cmで切り戻してから植えると新芽が一気に出てくる。

水はけと保水性のバランスのよい土を好む。一般的なハーブ培養土で充分と言える。酸性土壌は嫌うので、苦土石灰での中和を意識して。特に露地の場合は酸性に傾きやすいので植え込み時は注意して。

肥料

肥料を好む性質があると言える。元肥もしっかりと与え、定期的に追肥を施す。肥料焼けを起こしにくい有機タイプの液肥をお勧めしたい。

日当たりと場所

日当たりのよい場所を好む。半日陰でも大丈夫だが、日陰となると生育は落ちる。カラカラに乾燥する場所は避ける。強い風が吹いてもさえぎられるような場所が理想的。

水やり

乾燥には弱いので表土がやや乾いたらたっぷりと与える。特に夏は水やりが足りないと、葉が細く弱々しくなる。冬は水はごく控えめに。

病害虫

虫も寄せ付けにくいと言え、管理は楽。病気もほとんど見られない。

夏に意識したいポイント

夏はぐんぐんと成長する。水もどんどん吸うので水切れに注意する。耐暑性はあり、多湿にも強い方ではあるが、一度大胆な収穫を兼ねて切り戻しをするとよい。またぐんぐん成長して秋までに二度目の大収穫期を迎えられる。

冬に意識したいポイント

耐寒性はないので、冬越をするならば、秋に株元で刈り取ってから、鉢上げして室内で管理。観葉植物のように楽しむのも良い。暖かい地方であれば、収穫して刈り取った後の株を、たっぷりのわらや枯れ草で覆えば、地植えでの冬越もできないことはない。東北などの寒い地方は難しい。

収穫

ある程度、株が成長したら葉はいつでも収穫可能。株が茂ってきたら、茎の株元から10cm程度を残して刈り取るように収穫する。束ねて日陰でつるし、乾燥させてドライハーブにする。

 

※株分けで増やすことができる。春と初夏に行い、秋からは避ける。暖かい季節なら、すぐに根付くので株の倍増も容易。その際、新芽が一つ以上あるのが望ましい。

※冬は枯れるので鉢上げして、来年の春に向けて室内で大事に管理したいもの。

レモングラスのよもやまエピソード

「ドライバーの精油」とも呼ばれる存在で、集中力が必要とされる運転などに強い味方になるとして好まれています。リフレッシュにも最適なエッセンシャルオイルはアロマ界においては10本の指に入るくらいの存在感です。

葉の上半分の平たい部分を葉身と呼び、葉の株元に近い部分は葉鞘と呼ばれます。葉鞘の部分は柔らかく料理に使いやすいためスパイスとして多用されます。葉身の部分は硬く食べにくいため、ティーや風味付けに多用されます。