タイム

タイムの紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

タイム

タイムの概要

学名

Thymus vulgaris

科名

シソ科イブキジャコウソウ属

和名

タチジャコウソウ

別名

ガーデンタイム、コモンタイム

花言葉

「活動」「勇気」

開花期

4月~6月

使用部位

主に葉

原産地

ヨーロッパ、北アフリカ、アジア

草丈

10cm~40cm

多年草

成長すると木質化するので、常緑小低木(亜低木)にも分類される

 

細かい葉が対生するようにたくさんつき、うねりながら長く成長する愛らしい姿が特徴的。枝先にホワイトやピンクの小さな花穂をつけ花姿も楽しませてくれます。

ハーブの中でも特に、チモールという成分が豊富に含まれ、ずば抜けて高い抗菌力を発揮する薬効作用があることで有名です。精油も一般的に流通しています。疲労回復効果や脳細胞の活性化などが期待され、メディカルの側面でも活用されているハーブです。

香りが高いので、栽培中から料理のインスピレーションを刺激されます。まさに香草という印象をしみじみ感じさせます。ガーデンにいてほしい益虫である蜂を呼び寄せてくれるハーブとしても知られています。

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タイムの種類

タイムは種類が豊富です。大雑把に見ても350種類程はあります。立性と匍匐性のタイプに分かれます。立性の品種には、レモンに似た香りを持つレモンタイムやコモンタイムなどがあります。その他にもポットタイム、シルバータイムなど、オレンジタイム、マスティックタイムなど様々な品種が存在します。

料理など使えるハーブとして栽培されるものには代表種であるコモンタイムと呼ばれるものが主流です。フレンチタイム等は風味と豊かな香りが優秀な選抜種とされ、特に料理用として相性抜群。

クリーピングタイムやワイルドタイムとも呼ばれる匍匐性の品種は、グランドカバーや植栽としても人気があります。踏めば香りが広がり、匍匐性によるナチュラルな絡みがお庭の印象をより自然的な雰囲気にしてくれます。

花壇の縁取りやハンキングバスケットで枝垂れる姿を楽しめます。石の間を埋めるように成長する姿は調和を感じさせます。 他にもフォクスリータイム、タイムコスモス、ラベンダーに似た香りが特徴のラべンダータイム、黄色い鮮やかな斑が印象的なド-ンバレータイムなどがあります。

タイムの主な薬効作用

殺菌、抗菌、強壮、、鎮痙、鎮咳、去痰、駆虫、抗カタル(特にマストキナタイムの精油)

※妊娠中は控える。

タイムの適用症状

疲労、呼吸器系疾患(咳、花粉症や風などの症状、鼻炎)、消化不良、口臭、リウマチ、神経性疾患(頭痛、気分の落ち込みなど)

タイムの使い方の参考

※熱を加えても香りが落ちないので、積極的に料理に使いたいハーブです。枝ごと使うなら煮込み料理に、葉だけを使うならドレッシングなどに。

ドライにしても香りは落ちないのでドライハーブを作るのもおすすめ。特に冬に食べたい煮込み料理に活躍するので、冬前にたくさん収穫してドライハーブをストック。

料理に

煮込み料理や保存食づくりに多く用いられるキッチンハーブの一つ。スープやシチューを風味豊かな一品に。ブーケガルニを構成するハーブの一つとして使われることも多いです。

トマト料理やムニエル料理などは相性抜群です。魚との相性が特に良いと言われています。チーズ作りに用いれば、味わい深いチーズに。 マリネやハーブミックスサラダを作るならタイムは欠かせません。

ドレッシングづくりのスパイスとして用いれば、香り高いドレッシングが作れます。タイムビネガーやタイムオイルを作って常備しておけば、いつでもさっと楽しめます。

ティーとして

疲労回復効果を求めてハーブティーにするのも一般的。夏場は食中毒予防にもなるので食事のお供に。 咳を抑える効果が期待されるので、咳が止まらないとき等は特に味方になってくれます。芳香浴もかねてハーブティーをたしなめば、花粉症や鼻炎の辛さを軽減してくれるはずです。

脳細胞の活性化が注目されているので、集中して作業をしたい時などもサポートしてくれます。

お掃除に

殺菌、抗菌作用が高いので、ナチュラルクリーニングにも活躍してくれます。 ビネガーにタイムを漬け込んだものを薄めて、クリーナーとして使用したり、キッチン周りの水垢などを落としながら抗菌もできるので一石二鳥です。

クラフトに

香りが高いので、ポプリやリースにしてスパイシーな芳香を部屋中で楽しむのも素敵です。 ローズマリーやクローブとブレンドして作成したサシェは防虫効果がより期待できます。

その他

抗菌効果を期待して、夏場のお弁当に一枝、入れるのもおすすめ。食中毒予防に。よく洗って水気を切ってから忍ばせてくださいね。

うがい薬として風邪予防に。 ハーブバスにして疲労回復効果を全身で味わうのも贅沢な使い方。筋肉痛の緩和にも良いとされているので、体を動かした後のケアに。

タイムの育て方と収穫

苗の定植時期は5~6月、10月~11月が適切な時期。種蒔きからなら4~5月、9~10月と熱くなる前、寒くなる前にしっかり苗が生育できる期間を考慮する。

ただ、種からは時間も必要となるので、苗からが容易。開花も二年目から。 生育旺盛なので5号鉢以上で定植したい。地植えの場合は水はけをよくするために土を盛り上げて(畝)株間20cm~30cmくらいで定植。

酸性土壌は苦手なので、苦土石灰でしっかりと中和させておく。排水性を高めた配合を意識した土が安心。一般的なハーブ用土ならさらにパーライト、赤玉土など多孔質の素材を多めに配合させるといい。

肥料

春先や定植時に元肥を少量与える程度で大丈夫。与えすぎると香りも弱まるので気を付ける。液体肥料なら2か月に一度くらいで。

日当たりと場所

日当たりのよい風通しの良い場所が適している。ジメジメしやすい場所は厳禁。

水やり

多湿に弱いので、水やりは控えめで乾燥気味に管理。表面が乾いたら鉢底からしたたり落ちるくらいたっぷりと。メリハリをつけて。

病害虫

病害虫も特に大丈夫と言えるが、蒸れによるカビや根腐れ、株の弱りでハダニ等には気を付けたい。

夏に意識したいポイント

耐暑性はあるので、ある程度直射日光も耐えるが、多湿に注意する。水やりは梅雨時期から少ない頻度にシフト。ほとんど与えないくらいの塩梅をつかんで。土の表面が乾いていても、さらに日にちを空ける。

与えるときは、酸素補給の意味でもたっぷりと鉢底からしたたり落ちるくらいに。表面だけが湿り気を帯びるような水の与え方は×。 蒸れ防止に収穫もかねて切り戻しを行い、梅雨と夏を乗り切る。

冬に意識したいポイント

耐寒性はあるので冬越は屋外でも容易。地上部は枯れても根は生きているので、根が枯れない程度に少ない頻度で水やりを。枯れ始めたら刈り込んで手入れしておけば、春先からまた新芽が吹き出す。

収穫

花が咲く前が最も香り高い。収穫は一年中できるがおススメは4月。使いたいときに摘みたいだけ摘む。葉だけを使いたい場合はしごくように葉をとる。

蒸れやすい時期は多めに収穫して乾燥保存させてストックしておくのもいい。その際は、株元から摘んだ方が切り戻しも兼ねて仕立て直しができる。枝ごと束ねてつるして日陰で乾燥させれば簡単にドライハーブができる。

 

※真夏と真冬を避けて挿し芽、株分けで増やせる。株分けは3月くらいが特に適切な時期と言える。挿し木は夜も寒くないくらいになってからが容易。

※よく茂るので、こまめに収穫を兼ねて間引いてあげると健全に育つ。茂りすぎると株元から枯れるので注意。春先、花の後、夏前、秋前など数回の大胆な切り戻し(株元から)を行い綺麗な株姿を保ちたい。

※成長してくると上部の枝も木質化してくるので、その場合は切り戻して株の若返りを図る。その際、挿し木に利用して株を増やすと良い。若い枝はそのまま料理になじみやすいが、木質化している場合は葉だけを使うなど、適宜対応する。

タイムのよもやまエピソード

中世ヨーロッパでは、疫病が蔓延すると悪魔の仕業とされる風潮がありました。そんな時、タイムの存在は人々の支えになったと言います。空気を浄化するためにタイムの枝を焚いて病気の蔓延を防いでいたという記録が残されています。そんなタイムはいつしか勇気の象徴とされていました。

古代エジプトでは、ミイラの防腐目的に使われていた逸話もあります。 現代でもその薬効作用は受け継がれ、病院で主流のフェノールと呼ばれる消毒液の20倍ともいわれる抗菌力を確認しています。感染の予防に大いに貢献しています。