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衣類の洗濯もナチュラル洗剤でコンプリート・基本とコツを知る

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ナチュラルな洗濯とはいわゆる香料・蛍光増白剤・酸化防止剤・合成界面活性剤を使わないお洗濯と言うこと。 いくつかのポイントを組み合わせると、ナチュラルな素材で環境にも人にも優しい洗濯が可能になります。

洗濯に使えるナチュラルな洗剤にはいくつかありますが、驚くほど汚れを落とす力があることに気づかされます。 それを知ると合成洗剤は使えなくなります。

人にも環境にも優しい洗濯は身近に普通にありました。そして昔からあったんですね。

汚れが落ちるシンプルな原理

衣類の洗濯の基本はアルカリ性の洗浄液で洗うことで汚れを落としています。これは洗濯に限らず汚れと言うのは酸性であることが大半なので、家中の汚れはアルカリ性の洗浄剤で掃除をすることが基本となっています。

衣類に付着する皮脂汚れや匂いも酸性なので、洗浄液がアルカリ性に最適化されると汚れが良く落ちるようになるということなんです。化学です。

この基本を知っていれば、合成洗濯洗剤を使わずに環境負荷の低い洗剤でも十分であることをあらためて実感できるようになります。

自然由来の純石鹸で洗濯する

普通の合成洗剤を純石鹸(基本は粉せっけん)に変えるだけです。粉石鹸はナチュラルクリーニングでは油汚れやお風呂掃除などにも使えるので汎用性もあります。

純度の高い石鹸は洗浄力も普通に高いです。これでなんの問題もなく衣類の汚れは落ちます。 生分解性で環境に優しい洗浄成分ですから環境負荷もとても低いです。

添加剤(蛍光剤、合成香料)などが含まれないので、一般的な衣類はもちろん、シルクやウールなどの天然素材も優しく洗浄できます。 合成成分が残らないので、肌にも優しい衣類に洗い上げてくれます。

純粋な粉石鹸には他のナチュラル洗剤であるセスキ炭酸ソーダや過炭酸塩を助剤として加えるとアルカリ度が高くなり、洗浄力が増します。(次項で説明)

粉石鹸による溶け残りが発生してしまう場合は、容器で水に溶かしてから加えたり、 上述したように助剤として使って、石鹸の量を減らすことでも対応できます。

またはクエン酸をすすぎの際に入れることで溶け残りを中和する方法もあります。最後に説明しています。

ただ、ほとんどの場合、問題なく洗いあがりますし、助剤として使えるナチュラル洗剤を知っておけば対処法や洗浄液の最適化にも応用できます。次項で説明しているので参考にしてください。

※選ぶ際は、「洗濯用石鹸」と書かれているものを。合成洗剤には石鹸と言う表示はされていません。

※液体タイプのものもありますが、粉タイプの方が余分な成分が入っていない分、洗浄力は高いと言われています。 液体タイプは薄められているため、洗浄力が弱く使う量が多くなりがちです。さらにアルカリ度も弱いので、石鹸カスがたまりやすく、洗濯槽のカビも繁殖しやすい傾向があるようです。断然粉タイプをお勧めします。

洗濯洗剤としても助剤としても使えるその他のナチュラル洗剤

アルカリ性のナチュラル洗剤は洗濯洗剤としても重宝します。しかも驚くほどの洗浄効果があるものも。粉せっけんの助剤として入れれば、石鹸の使用量も減らせますし、溶け残りも抑えられます。

重曹

おなじみの重曹もアルカリ性なので、助剤として使えます。ただ、水に溶けにくいのとアルカリ度も低いので衣類に対する洗浄効果は低めです。

使うときは粉石鹸と併用して、石鹸の1/3程度を重曹にするなどの比率にします。あくまでも、補助剤としての位置づけが無難。

ウールやシルクなどの素材の衣類は重曹を1/2くらいの比率でやると、アルカリ度が下がり優しい洗浄液になるので傷みにくい洗浄液になります。もちろん汚れが強い場合は重曹は入れずにアルカリ度そのままで!

セスキ炭酸ソーダ

セスキは重曹よりもアルカリ度が強めで、石鹸に近いアルカリ度を持っています。なので、セスキだけを洗剤として使っても汚れを落とせます。 水にも溶けやすいので優秀です。

粉石鹸を切らしてしまってもセスキがあればなんとかなります。個人的な話ですが、部屋着などは、もはやセスキでしか洗いません。粉石鹸の半分をセスキに変えて使うのもグッドです。

セスキは炭酸ソーダと重曹の化合物で、炭酸ソーダは洗濯用粉石鹸に洗浄力を高める助剤として配合されて売られているものもあるので汚れ落ちアップは折り紙付き。

また、セスキ水を作って、襟や汚れにスプレーして5分ほど置いてから、洗濯すると良く落ちます。

過炭酸ナトリウム

酸素系漂白剤と言う名称で店頭には並べられることが多い過炭酸ナトリウム。 過炭酸ナトリウムは漂白剤として衣類の洗濯では使います。環境負荷の低い優しい漂白剤です。

アルカリ性を示すもので、ナチュラル洗剤の中では一番アルカリ度が強いです。 一般的には洗濯槽クリーナーとしての目的で使用することが主流ですが、普通に洗濯洗剤として使えます。時々の漂白剤としてだけではなく、普通の日常の洗濯洗剤として。

また、粉石鹸の1/3程度を過炭酸ナトリウムに変えると、助剤となって洗浄力が増します。 石鹸2:過炭酸ナトリウム1の割合で。

過炭酸ナトリウムだけで洗濯

毎日使うのはさすがに経済的ではないですが、週に1度くらいは過炭酸ナトリウムだけで洗濯して、衣類の洗浄、漂白、洗濯槽のカビ取り、洗浄を欲張りにするのがお勧め。

過炭酸ナトリウムだけで洗濯ができることがあまりメジャーになっていませんが、水に溶ければ漂白、洗浄の過程で自然に存在する無機物に分解されるので、衣類に成分が残ったりはしません。

量も石鹸の2/3程度で済みます。しかも、洗濯槽も掃除されるし、衣類も漂白されます。 汚れがたまってから使うよりも、日頃から使っている方が汚れもたまらないので掃除も楽だし、衣類も白くて気もちが良いし、環境にも優しいし、良いことだらけです。

※洗濯槽の洗浄を数か月放置している場合は、一度、衣類なしで過炭酸ナトリウムを使って洗濯槽を念入りにお掃除してください。そうじゃないと、カビがこびりついた衣類が完成するのでお気をつけて。

※アルカリ度が高くタンパク質を分解する力があるので、ウール、シルクなどのタンパク繊維の衣類や草木染などの自然染衣類は避ける必要があります。変色、変質のおそれがあります。

その他

純マグネシウムで洗濯ができるアイテムも登場しています。マグネシウムは洗浄液をアルカリイオン水にして汚れを落とすという仕組みです。もはや洗剤すらもなしで洗濯ができてしまいます。

粉石鹸でする洗濯の工程の例

粉石鹸での洗濯は一般的な合成洗剤を使う洗濯よりも少々手間ということは残念ながら言えます。というのも、やり方を横着すると溶け残りや油臭さが出てしまうことがあるからです。

石鹸を入れて、洗濯をスタートさせて終了!というやり方だと、いずれ油臭さに悩んだり、石鹸カスに悩まされることもあるでしょう。※ドラム式の場合はこの方法でも攪拌性が高いため問題なく洗いあがります。

やり方はいろいろとありますが、一つの例として一般的な縦型の洗濯機を想定して紹介します。

 

石鹸を泡立てる

最初に洗濯機に一番最低水量(お湯を使える場合は40℃以上のお湯を使います)を設定して、粉石けんと過炭酸ナトリウム(または炭酸ソーダ)を助剤として少量入れ、5~10分くらい空洗濯をします。(石鹸の量はパッケージ記載を参考に)石鹸を良く溶かして泡を合立てるための工程です。泡立ちが足りない場合は石鹸を足してさらに攪拌します。

衣類を入れて洗濯スタート

次に一度電源を落として入れなおし、衣類の量に応じた水量に設定して、衣類を投入し普通に洗濯をスタートさせます。柔軟剤を使う場合はこの時に柔軟剤投入口に入れます。柔軟剤については下記に記しています。

補助的に液体せっけんを使う

途中で泡立ちが足りない場合や、忙しい毎日で洗濯に気を使う余裕がない時などにさっと使えるように液体せっけんを補助的に使うと良いです。ネイチャーフレンドリーな液体石鹸も登場していますが、コストパフォーマンスは良くないのが難点です。なので補助的にという使い方をしています。

その他のポイント

油臭さが気になったり石鹸カスが残りやすい冬場などは、場合によっては2回すすぎをすることもあります。また、洗濯層に溜まった石鹸カスが匂いの原因となる事もあるので、定期的に過炭酸ナトリウムで掃除をすることも重要なポイントです。

柔軟剤を使いたい場合はクエン酸を使用

洗浄液はアルカリ性なので、衣類や洗濯槽はアルカリ性に傾きます。アルカリ性に傾くと衣類がごわついたり、衣類に石鹸カスが残ってしまったり、洗濯槽にも石鹸カスが付着してしまうことがあります。 特に粉石鹸を使う場合や水が冷たくて溶けにくい冬場に発生しやすいです。

そんなアルカリの傾きや溶け残りを解消する手段としては、ナチュラル洗剤でおなじみの酸性であるクエン酸を使います。クエン酸を使うことで溶け切らなかった石鹸を中和し、衣類も中性に戻してあげることができます。

洗濯槽の石鹸カスもついでに中和します。 一般的な自動洗濯機についているソフトナーケースにクエン酸小さじ1~3杯程度(衣類の量によって調節)を水50㏄に溶かした溶液を入れて、仕込むだけなので簡単です。

粉末のまま入れる場合は、すすぎの段階で一時停止してから入れます。作り置きしておくのも便利です。

香りが欲しい時はエッセンシャルオイル数滴をクエン酸に混ぜて使用します。 エッセンシャルオイルは好みの香りでOK。いくつかのエッセンシャルオイルをブレンドしても良いです。

合成香料はほどほどに…香りが欲しいなら精油が◎

そもそも衣類に香りがなくても本来はなんの支障もありませんし、合成香料によって敏感な子供や大人が人が集まる場所(学校や会社)に行けない…というようなことも起こり始め、「香害」という現象を生み出している現実があります。

その点、エッセンシャルオイルは香りが残りにくく、自然由来のものであるため身体への悪影響がありません。 それどころかセラピー効果で調整されるような副次的な効果があります。

アロマテラピーと言う言葉は比較的新しいですが、概念としては紀元前のローマ時代までさかのぼります。 精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法として確立された歴史のあるものなので、体に悪影響がないというのは当然と言えます。

合成香料による香りを嗅ぐと頭痛や変調を起こしてしまう人でも、エッセンシャルオイルなら大丈夫と言います。

エッセンシャルオイルというのは、ドイツなどでは治療に使われているもの。日本では雑貨扱いですが、本来はそれくらい心と体をケアすることができる自然からの贈り物なのです。

ナチュラルなお洗濯の柔軟剤で香りが欲しい場合は、このエッセンシャルオイルを使うということ以外の選択肢はないと言っても過言ではありません。