心理を読み解くカギは態度が9割。言葉よりも相手がどんな顔色やしぐさをしているかを注視しよう。
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「行動で示せ」なんて言葉を聞くように、人は言葉よりも行動や態度から多くのものを感じ取ります。
言葉に説得力がなくても、行動に説得力がある人は人の心を打ち動かします。
言葉としての理解は、表面的な部分が多く、わかっているようで何も染み入っていないなんてことは多くあるでしょう。
「目は口ほどにものを言う」なんてことわざもありますが、それはまさに心理学上、的を得たことわざです。本音を話しているようでも、言葉には信憑性がないと言っても過言ではない場合がほとんどです。
信用度が高い人間のしぐさや状態を順に並べてみると…
有名な動物行動学者として心理学界で定評のあるデズモンド・モリスによれば、最も心理を表すうえで信用度の低い情報として上げているのが言葉なのです。そして、最も信用性が高いのが、生理的反応である汗をかいたり、声の調子、赤面したりなどの顔色の変化を上げています。
信用度が高い順に羅列してみると、
①汗をかくなどの自律神経信号(生理的反応)
②脚の動きなどの下肢の状態
③姿勢などの胴体の状態
④手の動きなどの、一見見逃しそうな微細な動き
⑤意図的に表現しているのがわかる大きな身振り手振り
⑥顔の表情
⑦言葉
この情報からも分かる通り、言葉というのは一般的にいくらでも取り繕うことができ、顕在意識が強く体現されているものと言えるのであまり当てになりません。コントロールできる部分なのですね。言葉というのは練習によっても知識によってもいくらでも上達させることができるので、信用度が低いというのは的を得ている気がしませんか。
それに比べて、上位に示されているものほどコントロールできないものであることがわかります。
声の調子やトーン、速さなどの生理的反応が一番真意をこぼします。
貧乏ゆすりをしたり、手で顔を隠したり、頭をかいたり、緊張で肩がこわばったり、驚きで妙に背筋が張ってしまったり・・・。
これらの反応も上位に位置づけられる生理的な反応ですね。
それに比べて、
下に行くにつれて、コントロール出来る要素が強くなっていくのがわかると思います。
⑥番目の表情に関しては、生理的な表情と意図的な表情を分けて観察する必要があるでしょう。
緊張でこわばった顔、恥ずかしそうな表情などは明らかに生理的な反応と言えます。
一貫性のある態度で真意をつかむコミュニケーション
人と円滑なコミュニケーションをするには、言葉と態度に一貫性を保つことが一つの大事な要素です。
自分自身が相手に伝えたいことも言葉だけではなく、態度で示すことが重要ということが言えます。もっとも心から思っているならば、素直に表現すれば自ずと一貫性は自然に保たれますが、故意に裏腹な態度や建前で取り繕うとしても、見抜く人は簡単に見抜いてしまうということにもなります。
心理学用語では、感情や思いをしぐさや態度、声のトーンで表すことを「符号化」と呼び、それらを読み取ることを「解読」と言います。
伝わってほしくない心情、伝わってほしい心情が人にはあるものですが、人とうまく付き合っていくにはこの、「符号化」と「解読」を意識してみるといいでしょう。
本心は言葉ではなく、全身から見えると言えます。
相手の心理を読み解くには言葉や表情に頼らず、全体を観察することが肝ですが、それと同時に自分自身も読み取られている場面は多くあるはずです。
一歩、上手を行くためには「符号化」を意識的に注視する必要がありそうです。
読み取ろうとしている本人が読み取られているなんてことはざらにあるでしょうから…。