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芒種

二十四節気

芒種

ぼうしゅ

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芒種(ぼうしゅ)6月5日~6月20日頃

麦の収穫を終えてつかの間、田植えが盛んになる頃。稲の穂先にある針のような突起を、芒(のぎ)といいます。長雨が続く梅雨入りを迎える季節です。

この時期の自然の営みとくらし

日本各地で田植えが忙しい時期となります。水が張られた水田には若い稲苗が植えられ、美しい日本の田の風景が広がりを見せています。田の神様に豊作を祈願する御田植祭りが各地で行われます。

 

畑仕事も一層忙しくなり、作物を食べる虫たちにも時折悩まされることもあるでしょう。七十二候では「蟷螂生ず」となりますが、アオムシ類、バッタ類、ゴキブリ、ハエ、カ、チョウ、アリと様々な昆虫を餌とするところから益虫として、昔の人々は畑仕事が忙しくなる時期に出会うカマキリを季節の象徴としたのでしょう。

 

ゲンジボタルが孵化し、明かりをともしながら飛び始める頃を迎えます。夏を告げる風物詩として親しまれ、夜の蛍の発光を鑑賞する「蛍狩り」もこの季節を彩る暮らしの遊びと言えそうです。沖縄では20種以上の蛍が確認されていて、一年中様々な蛍が飛び交うのだとか。

 

すいかづら(吸い葛)が花の最盛期を迎えています。昔は花を口にくわえて甘い蜜を吸っていたことからついた名だそう。砂糖がない頃には砂糖の代用として使われた歴史もあるとか。咲き始めは白く、受粉すると黄色に変わります。少しづつ夏も深まってきたことを感じさせます。

 

本格的な夏を前にして、梅雨入りの時期となります。この時期は栗の花が咲く頃でもあり、雨が花を散らす様子から「栗花落(ついり)」という字を当てて呼んだりもするそう。梅の実も熟して色づき、梅仕事も暮らしを彩る時期です。

 

連日続く雨にじめっとした気候が身体を疲れさせてしまうこともある時期ですが、雨の休日はしとしとと降る雨に耳を澄まして、癒しの時間としても楽しみたいものです。

風物詩

田植え、梅雨入り、梅の実

  七十二候

初候蟷螂生ず(6月6日~6月10日頃)

(かまきりしょうず)

カマキリが原っぱや畑などで見られるようになるころ。稲や野菜などには手を付けずに害虫を捕まえてくれるとか。

 

次候腐草蛍と為る(6月11日~6月15日頃)

(ふそうほたるとなる)

蛍が飛び交い始める頃。腐った草が蛍に生まれ変わると昔の人は信じていたという逸話が七十二候に反映されているそう。

 

末候梅の実黄なり(6月16日~6月21日頃)

(うめのみきなり)

梅の実が熟して収穫を迎える頃。季節は梅雨にはいり、長雨が続く日々となります。

 

旬の恵みや草花

らっきょう

旬は初夏~夏で、夏バテにも重宝するらっきょう。生ラッキョウとして市場に出回るのはこの時期限定。自家製の保存食を作るなら要チェックです。

 

カレーの付け合わせなど、主に甘酢漬けにして食べますが、塩漬け、醤油漬け、はちみつ漬けにしても美味しく頂けます。 らっきょうを原料とした生薬には薤白(がいはく)というものがあります。胸痺に効果があるとされるものです。

トマト

もともとは熱帯地域の高原野菜で、暑さが厳しい真夏は実付きがあまりよくありません。真夏よりも初夏が旬となります。(初秋も旬と言えます) この時期は味も糖度も濃く、トマトが一番おいしく食べられます。畑仕事の合間にかぶりつくのも醍醐味です。

 

品種も多種多様で、家庭菜園でとれたたくさんのトマトを自家製ホールトマトにするのもこの季節の暮らし事のひとつ。

梅雨の訪れとともに梅の旬を迎えます。実が落ちるほどに完熟したものは生食でもトロっとした甘い果肉が楽しめます。梅酒や梅シロップ用には青い未熟な実を、梅干しや梅酢を作るなら熟してきた実を使います。他にも梅ジャムなどにして旬の味覚を思う存分楽しみたいもの。梅仕事で梅雨の憂鬱も吹き飛ばしましょう。

この時期の行事

田植えのまつり

6月の田植えの時期には田の神様に豊作を祈願をするお祭りが行われます。 14日には大阪の住吉大社で「御田植神事」があります。八乙女の舞などの踊りが披露されます。 24日には三重の伊雑宮で「磯部の御神田」が行われます。

 

国の重要無形民俗文化財にも指定され、ふんどし姿で男性たちが泥だらけになりながら竹を取り合う竹取神事と呼ばれる催しは圧巻の光景です。 他にも日本全国各地で多種多様な御田植祭りが催されるので、地元の御田植祭りもチェックしてみては。

父の日

6月の第3日曜日は父の日を迎えます。送る花はバラとされますが、特に厳格な決まりはないのが実際です。「母の日のように父に感謝する日を」と牧師協会へ嘆願したのは、アメリカワシントン州で生まれたソノラ・スマート・ドッドという女性。男手1つで育ててくれた父を讃えて6月に礼拝を行ったのがきっかっけとなったそう。

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