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ハイビスカス(ローゼル)Hibiscus

ハイビスカス(ローゼル)の紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

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ハイビスカス(ローゼル)の概要

学名

Hibiscus sabdariffa

科名

アオイ科

和名

ロゼリ草

別名

レモネードブッシュ、ロゼル

花言葉

「繊細な美」「新しい恋」「勇敢」花の色によって他多数あり

開花期

9月~11月

使用部位

萼(がく)苞(ほう)、葉

原産地

世界各地の熱帯~亜熱帯地域

草丈

最大200cm~300cm

一年草(寒冷地)または常緑亜低木(暖地)

 
 

南国をイメージさせる植物で、つるっとした赤紫の茎にアイボリーの花を咲かせます。コントラストが強く趣が個性的なので観賞用としても人気です。

 

短日植物という性質上、夏の終わりごろ(日が短くなってくる時期)に花を咲かせる習性があります。

 

「洛神花」という生薬としても利用され、鉄、カリウム、植物酸、ミネラル、ペクチンなどの多くの栄養素を含んでいます。

 

ドライにした花や果実(萼と苞)をハーブティーとして使えば、酸味が利いた味わいと鮮やかで美しいワインレッドの色合いを楽しむことができます。クエン酸や、ハイビスカス酸、リンゴ酸などの植物酸を含むので、肉体疲労に活用したいハーブとして注目の植物です。天然のスポーツドリンクとして、夏バテ対策の水分補給にも活躍してくれます。

 

他にも萼と苞の肥大した部分は生食することもでき、ジャム、ゼリー、酒などにも活用でき、茎も繊維として用いられている植物です。葉も食べることができ、ミャンマーでは「チンパウン」と呼ばれ、スープや炒め物の食材としても使われます。

 

花が終わった後に収穫時期がやってくるので、存分に鑑賞してから、実も楽しむという贅沢なハーブとも言えます。

 

ローゼルの実

 

ハイビスカス(ローゼル)の種類

ハイビスカスという名前はフヨウ属植物全般のことを指していて、実際は特定できないほどの多くの品種が確認されています。花もピンク、白、黄色、赤など、ほんとに多彩な品種が並びます。

 

ハーブティ-や食用として用いるハイビスカスは「ローゼル」と呼ばれる品種で花びらがアイボリー色で萼が赤く染まるのが特徴です。

 

園芸用、観賞用として流通するハイビスカスはブッソウゲと呼ばれる品種で、日本では沖縄の生け垣などにもよくみられます。たくさんの園芸品種がみられます。

ハイビスカス(ローゼル)の主な薬効作用

代謝促進、消化機能活性、緩下、利尿、

ハイビスカス(ローゼル)の適用症状

肉体疲労、眼精疲労、便秘、循環不良、食欲不振、二日酔い、上気道カタル

ハイビスカス(ローゼル)の使い方の参考

料理に

花や果実(萼と苞)はジャムや果実酒に用いたり、葉も炒め物に加えて食べることができるので、自家栽培でたくさんの収穫が期待出来れば活用方法は広がります。

 

梅の変わりに使って塩漬けにしても。サラダのドレッシングやソースづくりにも使えそうです。

 

ティーに

メディアカルハーブとしては、ペクチンやビタミンCが含まれるため、風邪の初期の喉の痛みを和らげる効果や、植物酸による肉体疲労や眼精疲労の軽減を期待して飲むのも良いとされます。

 

単独でハーブティーとして利用できますが、酸味が強いのでブレンドして用いるのもスタンダード。ビタミンC を多く含んだローズヒップなどとブレンドして飲まれることが多く、新陳代謝を高めた美容ドリンクとしても活用されます。

 

他にもミントとのブレンドもおすすめです。 緩やかな緩下作用を期待して便秘改善、利尿作用を期待して二日酔い対策にも。

 

ハイビスカス(ローゼル)の育て方と収穫

好む環境

熱帯~亜熱帯気候を好む。湿った空気と暖かな場所が好みなので、日本の夏には適応する。寒冷地では一年草として扱って栽培するか、冬場は屋内で管理。

種蒔き&育苗

種まきは4月~5月。発芽適温は20℃前後なので、寒冷地では5月くらいになってから。早く蒔く場合は保温性を高めた苗床などを用意して。

 

種子は一晩浸水させた方が発芽しやすい。育苗ポットなどに蒔いて乾燥させないように管理し、早ければ一週間、遅くて2週間ほどで発芽。

定植

本葉が1~2枚になったら定植の時期。根鉢を崩さずに優しく植えこむように。失敗するとそのまま枯れてしまうことがるので特に注意。間引いて一本立てにするのも定植して根付いてからでも遅くはない。

 

本葉が3~4枚になったころに勢いのある株を残して一本に。倒れないように必要であれば支柱を立てて。

花付きを良くするために有機質の元肥をしっかりと施した肥沃な土が適す。一般的な花や野菜培養土など元肥が含まれたものを用いると良い。

 

乾燥しやすい土は避け、腐葉土などをたっぷりと混ぜ込んだ保水性と保肥性が高い土で。

肥料

定植してからひと月以降、月に一回程度ボカシ肥などの緩効性肥料を与えると良い。夏場に生育が旺盛なので夏でも肥料を与える。

日当たりと場所

日がさんさんと降り注ぐ場所で。日陰では生育が悪い。日照が不足すると蕾が落ちやすいので注意。  

水やり

土の表面が乾いたらたっぷりと鉢底から流れる出るくらいに与える。乾燥は苦手なので、夏の水切れに注意。地植えは自然に任せてOKだが日照りが続くようなら時々オン。

病害虫

夏場はアブラムシやハダニがつくことがあり、カイガラムシやコナジラミも注意したい。よく観察して必用であれば、自然農薬などで対策を。暖地などで通年栽培する場合は特に冬の弱った時期に気を付けて。休眠しているカイガラムシなどを駆除しておく。

 

夏に意識したいポイント

耐暑性が高く日光が大好きなので、基本的には日向で大丈夫だが水切れに注意。水が切れると蕾を落として収穫に影響するので、土の表面が乾いたと思ったらは早めに水やりを。

冬に意識したいポイント

耐寒性はないので、寒冷地では冬を戸外で越すことはできない。一年草として楽しむか、鉢上げして屋内に。

 

暖地では露地でも越せるので藁や腐葉土などを株本に敷いて保温性を高めて。基本的に常緑性なので暖かい地域では一年中地上部は枯れない。水やりは控えめにし、肥料もお休み。

収穫

10月中旬~12月頃が実の収穫。花が萎れて落ちた後からが収穫を狙う時期。萼が閉じて赤く肥大して熟したら収穫する。

 

中の種を取り除いて乾燥させればハーブティーとして、フレッシュなまま砂糖と煮詰めればジャムに。(使うのは外側の萼と苞の部分)。

 

取り除いた中の未熟な種子もそのまま乾燥させて炒って、グラノーラづくりなどに活用。

 

来年に向けて種を採取する場合は花が咲いてから2か月くらいしっかり、熟したものを採取するようにする。十分に乾燥させて小瓶などに保存。炒れば食用にもできるので、グラノーラづくりなどにも。

 

ハイビスカス(ローゼル)のよもやまエピソード

古代エジプトの「ヒビス」と呼ばれた美の女神がハイビスカスという名称の由来という逸話もあります。女王であったクレオパトラも愛飲していたとか。

 

日系のブラジル人の間では、ローゼルの塩漬けを「花梅」と呼んで親しまれているそう。梅干しと作り方は一緒なので、日本文化とブラジルの植物の融合といったところでしょうか。

 

東京オリンピックのマラソン競技で金メダルを取得したアベベ選手ががハイビスカスティーを常用していたことで注目が広がったと言われています。